小休止(4) 仙台・弘前・秋田の塔を巡る

仙台・弘前・秋田の塔を巡る

 今回の旅は、JR東日本休日倶楽部の会員パス12,000円で、指定席料金も含めすべて交通費(バス代は除く)は賄うことができた。会員パスは、東北方面への旅には大変便利である。
 真冬のこともあり、天候が一番気になったが、寒気のもたらした大雪もやんだ後で、連日天気も晴れ、足元に雪はあったが、大寒間近の旅としては、最高の日和であった。

1月17日(日)
大宮→9:22/JR新幹線はやて9号(指定席)/10:37→仙台
仙台駅前11:00〜バス(75分)〜12:15定義・定義如来13:18〜バス(74分)〜14:32仙台駅前

 
 観光案内所で、定義(じょうぎ)までのバスを確認する。定義行きは11時発で10番乗り場で間違いはなかった。定義如来の2種類のパンフレットをいただく。バスの案内所に行き、定義までの切符が買えるか聞いたところ、「定義までは1110円なので、バスカードが便利です。」とのこと、1000円のバスカードで1100円乗ることができるので、カード+10円払えばよいとのこと。そこで、往復用にカード2枚を買う。
 定義行きのバスの乗客は、駅前では10数人であったが、市街地を外れる頃には、3人となっていた。だんだん山道となり、道路の周りは一面の雪である。作並温泉の旅館の案内看板が増えるころにバスは右へと曲がり、いよいよ車のすれ違いも難しい山道となる。
 仙台駅前から75分、やっと定義に辿り着くとそこは一面の雪、それでも駐車場には車がいっぱいいる。どこからこんな来たのかと思うほどにいる。
 多くの参拝客は旧の本堂方向へ、新本堂へは少ない。五重塔は新本堂の方なので、雪道を車に気を使いながら一人歩く。五重塔前の庭園もすべて雪の中。雪の中に塔は墨色に墨絵のごとく立っていた。撮影ポイントには、踏み跡が付いている。
 旧本堂に回ると、老若男女、大勢の参詣客で狭い境内はうずまっていた。

 旧本堂前への参道には、やきめしやみそおでん、そば屋の看板が立ち並ぶ。参道の外れにある名物「三角あぶらあげ」の店には列をなし、店内、店外では、多くの人が厚さ3cmもある大きなあぶらあげを食べている。
 定義とうふ店に入り、揚げたての三角あぶらあげを120円で買い求める。醤油と唐辛子をかけて食べる。外はサクサク、中はシットリと、評判の通りうまい。

仙台→15:38/JR新幹線はやて21号(指定席)/16:55→八戸→17:07/JR特急スーパー白鳥21号(指定席)/18:06→青森


青森泊


1月18日(月)
青森→9:57/JR特急かもしか2号(指定席)/10:26→弘前
弘前駅10:30〜バス〜最勝院五重塔・旧東奥義塾外人教師館・観光館・山車展示館〜弘前城仲町伝統的建造物保存地区・津軽藩ねぷた村〜文化センター〜バス〜弘前駅

 
 観光案内所に飛び込み、最勝院や、弘前城、伝建地区に行きたい旨告げて、バスがないか尋ねる。案内所の女性は、弘前の案内図に100円循環のコースを入れ、停留所名、最勝院へのコース、伝建地区へのコースを書きくわえながら、テキパキと説明する。「最勝院は、本町のバス停でおりて歩く。伝建地区は、弘前城を抜けるとよい。今日は、こちらだけが開放している。」「帰りのバス停は、NHKの前の文化センターで乗るとよい。」「昼食は、こちらの観光館、あるいはねぷた村で食べるとよい。」「このコースなら、200円でまわることができる。バスは10分おきには出る。」
 女性に言われたとおり、100円循環に乗り、本町のバス停で降りる。道はすぐに細くなり、両側は雪がうずたかく積まれ、車の合間を見ながら車道を歩く。6、7分で最勝院につく。重厚な山門を抜けると、左手に三重塔。本体の朱と垂木、壁の白、そして雪の白、空の青と見事に調和して、屹立している。

 最勝院から旧東奥義塾外人教師館に行く。明治の初年にすでに外国人教師が弘前まで入っていることに驚いた。教師館の周囲は弘前市内に現存する古い建物のミニチュアが雪囲いの中に展示されていた。雪のない時期ならばこれらを回るのもよいではと思った。
 弘前城に行くと、この時期でも夫婦、女性だけの二人組など、城をバックに写真を撮っていた。やはり桜のころならよいが、雪の時期では、も一つ厚みがない。
 

 城の北門を抜けると伝建地区に入る。北門の目の前が、石場家、現在は酒屋になっている。伝建地区の中央の道を歩くが、電信柱が目障りであるのと、かなり建て替えが進み、伝建地区の趣はほとんどない。

 伝建地区からねぷた村へと回る。観光案内所の女性の指示に従って、ねぷた村で昼食を食べる。「あんかけとんかつ」を注文する。竈炊きご飯を、とんかつは皿に添えられたスプーンで、おいしく食べる。


弘前→14:17/JR特急かもしか4号(指定席)/16:22→秋田


秋田 泊


1月19日(火)

秋田駅前9:00〜バス〜文化会館=徒歩=日吉八幡神社=徒歩=千秋公園=徒歩=秋田駅
 
 足元の雪はシャーベット状。非常に歩きづらい。そこで、観光案内所でバス路線を尋ねる。日吉八幡神社に行くなら、文化会館でおり、八橋(やばせ)運動公園を抜けるとよいとのこと。
 駅前からバスはすぐに出た。文化会館で下車し、雪の積もった歩道を歩く。5、6分で日吉八幡神社についた。幾組かの狛犬、太鼓橋、銅の鳥居、そして、広い境内の奥に立派な社殿が建っている。この参道に直交するように、随神門、三重塔、社務所が一直線に並ぶ。三重塔は、社殿に合わせ赤茶けた、ベンガラ色に塗られていた。

 日吉八幡神社から千秋公園まで旧国道を歩く。千秋公園は雪一色。佐竹資料館に並べられた佐竹家先祖伝来の衣服や甲冑、書画等をみる。毛虫飾りの兜が印象的であった。
 久保田城には、天守閣や石垣は築かれなかった。このため、城としての趣は少ないが、市制百周年を記念して復元された御隅櫓によって、城の雰囲気が感じられる。



秋田→12:01/JR新幹線こまち16号(指定席)/15:42→大宮